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訓練中の米軍輸送機オスプレイ=AP

 米海軍航空システム司令部は20日、飛行を一時的に停止していた輸送機オスプレイについて、機体を点検した上で飛行を再開すると明らかにした。ギアボックスの飛行時間が一定基準を超える機体は飛行を再開し、基準に満たない機体には追加の安全対策が必要となる。

 ギアボックスは、エンジンからの動力を回転翼に伝える重要な装置で、これまでも問題が報告されてきた。AP通信によると、ギアボックスの不具合は、飛行時間がより短いもので起きる傾向がわかっている。

 同司令部は今回、基準となる飛行時間や対象となる機体の数、安全対策の詳細は、運用に関する保安面への懸念を理由に公表しなかった。声明で、オスプレイについて「我が国の国防を支える上で不可欠な役割を果たしている」と強調。「この重要な資産を飛行可能な状態に戻すことは、我が国の利益を支える上で極めて重要だ」と主張した。今回の決定は、オスプレイを運用する海軍、空軍、海兵隊が協力して実行に移すとしている。

 米軍は、11月20日にニューメキシコ州で訓練中のオスプレイが緊急着陸した事故を受けて、オスプレイの飛行を一時的に停止するよう今月6日に提言。日本政府にも通達し、陸上自衛隊は保有する17機について飛行を見合わせていた。

 昨年11月には米空軍のオスプレイが訓練中に鹿児島県屋久島沖で墜落し、搭乗員8人が死亡した。米空軍の事故調査委員会は今年8月に公表した報告書で、機体左側のギアボックスで連鎖的な不具合が突然生じ、墜落したと結論づけていた。

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 米軍の飛行停止措置を受けて、陸上自衛隊が保有するオスプレイ17機について飛行を見合わせていた防衛省は21日、「安全を確保した上で、飛行を再開していく」と発表した。

 米側から説明を受けたことを…

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